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2025.11.14未分類

リノベーションとは?リフォームとの違いやメリット、費用相場を解説

リノベーションとは?リフォームとの違いやメリット、費用相場を解説

リフォーム」と「リノベーション」、あなたはその違いを説明できますか?どちらも住まいを快適にする工事ですが、目的と工事の範囲が異なります。

「壊れた部分を直し不便を解消したい」ならリフォーム、「住まいを再構築して暮らし方を変えたい」ならリノベーションがぴったり。今の家に対する不満の種類で、選ぶべき方向が変わります。

本稿では、両者の違いを分かりやすく整理して解説します。メリット・デメリット費用相場もご紹介しますので、自分にはどちらが合うのかを判断するときのヒントにしてください。

リフォームとリノベーションの意味・違い

リフォームとリノベーションの意味・違い

家を「きれいにしたい」「暮らしやすく変えたい」と思ったとき、多くの人がまず思い浮かべるのがリフォームとリノベーションです。

どちらも住まいをよくするための工事ですが、じつは目的と工事の範囲がまったく違います。まずは、両者の違いを表で簡単にまとめてみます。

項目 リフォーム リノベーション
目的 原状回復 (マイナスをゼロへ戻す) 新たな価値の付加、性能向上
内容 部分的な交換・修繕、機能回復が中心 大規模な間取り変更や性能向上が中心
規模 小規模~中規模 中規模~大規模
対象 内装、設備機器、外壁、屋根など 骨組み(構造、躯体)以外すべて
費用 比較的安価 比較的高価
工期 比較的短い 比較的長い

リフォームは「直す」ことが目的で、傷んだところを部分的に交換・修繕する工事が中心です。一方、リノベーションは「つくり替える」ことが目的で、建物全体を改修するケースが多いです。

ただし、これはあくまで「目安」で、実際のところ両者の線引きは曖昧です。「リノベーション」規模の工事を「リフォーム」と呼んでも通じますので、ご安心ください。

もう少し深く知りたい方のために、リフォームとリノベーションの違いを詳しく見ていきましょう。

リフォームとは:新築時の状態に近づける「原状回復」

リフォームとは、傷みが出た部分や老朽化した部分を修繕・交換して、新築時の状態に近づける工事のことです。

目的は「原状回復」や「機能回復」。建物の骨組みや間取りはそのままに、気になる部分をピンポイントで改善します。

たとえば ⸺

  • 壁紙や床材の張り替え
  • キッチン・浴室・トイレなどの設備交換
  • 外壁塗装や屋根の補修

こうした工事は短期間で終わるものが多く、費用も建築工事の中では比較的低めです。ですから「家全体を変えたいわけじゃないけれど、古くなった部分を直したい」という人に向いています。

「不便な箇所を直し、暮らしの快適さを取り戻したい」という方は、短期間で手軽にできる「リフォーム」を検討してみるとよいでしょう。

リノベーションとは:違うものにつくり替える「再構築」

リノベーションとは、既存の建物をベースに間取りやデザインを大きくつくり変える工事のこと。ただ「直す」だけでなく、新しい暮らし方を実現するために住まいを「再構築」します。

リノベーションの主な目的は、「性能の向上」と「新しい価値の創造」です。リフォームよりも工事範囲が広く、建物内の見えない部分にある配管や断熱材、骨組み(構造)などにも手を加えます。

たとえば ⸺

  • 壁を取り払って、2部屋を1つの広いLDKに
  • 断熱材や窓を交換して、冬暖かく夏涼しい家に
  • 書斎やワークスペース、土間スペースを新設
  • 建物の骨組みだけ残して内装をすべて刷新

こうした工事は時間も費用もかかりますが、暮らしの質を根本から変えられるところが魅力です。

「今あるものを直す」から、「これからの暮らしをデザインする」へ。未来志向の住まいづくりを考えるなら、リノベーションが有力な選択肢になります。

「家そのものを自分らしく変えたい」「性能を新築以上に高めたい」という人には、リノベーションが向いています。

リフォームとリノベーションの特徴

リフォームとリノベーションの特徴

リフォームとリノベーションは、どちらも「住まいをよりよくする工事」ですが、目的が違うため、得られる結果が異なります。

ここでは、それぞれの特徴と、知っておきたいメリット・デメリットを分かりやすく整理します。

リフォームのメリット・デメリット

リフォームは、壊れたり古くなったりした部分を回復する工事です。そのため、短期間で手軽にできる反面、大きな変更には向きません。

メリット(魅力)

リフォームは、部分的な修繕や交換が中心です。たとえば、ユニットバスやキッチンの交換、外壁の塗り替えなどがリフォームに該当します。

リフォームは骨組みを触らないので、工事費が比較的安く済みます。素材や設備のグレードを選べば、予算に合わせた工事費用の調整もしやすいです。

工事は数日から数週間で終わることが多く、ほとんどのケースでは仮住まい(一時的に生活するための住居)が不要です。日常生活への影響が少なく、計画を立てやすい点も魅力です。

「家全体ではなく、困っているところだけをすぐに直したい」⸺ そんなときは、リフォームがおすすめです。

デメリット(注意点)

一方で、リフォームにはできることの限界があります。たとえば壁を取り払ったり、階段の位置を替えたりといった「間取りの変更」は、リノベーションの範囲と言えるでしょう。

また、床や壁の中の断熱材や骨組み(構造)などに手を入れる工事も、リノベーションの範囲です。断熱性や耐震性を改善したい場合は、リフォームではなく、リノベーションを検討しましょう。

なお、何度も部分リフォームを繰り返すと、そのたびに費用がかかり、結果的にトータルコストが高くなることがあります。これも、リフォームの注意点と言えます。

リノベーションのメリット・デメリット

リノベーションは、建物の骨組みを生かしながら、間取りや内装をつくり変える工事です。見た目だけでなく、断熱や耐震などの「性能」も最新基準に引き上げることができます。

一方、時間とコストの負担が大きくなる点には注意が必要です。

メリット(魅力)

リノベーションの最大の強みは、自由度の高さと、性能アップができること。「暮らし方から変えたい」「デザインも性能も妥協したくない」そんな人には、リノベーションがぴったりです。

たとえば、壁を取り払って広いLDKにしたり、新しくワークスペースをつくったり。理想の空間をゼロから設計できるのは、リノベーションならではの強みです。

窓や断熱材を最新のものに変えることで、冬は暖かく、夏は涼しい家にすることも可能です。骨組みを補強して大地震に備えることもできるため、安心して長く住めます。

また、骨組みや基礎をそのまま使うため、同規模の新築より費用を抑えられることもあります。駅から近い中古住宅を買ってリノベーションすれば、立地とコストダウンを両立できるかもしれません。

デメリット(注意点)

リノベーションは工事範囲が広く、それに応じて費用も高額になります。解体後に骨組みの腐朽やシロアリ被害が見つかり、追加工事が発生するケースもあります。

また、設計から工事完了まで数ヶ月かかることが多く、その間は他の場所で生活する必要があります。そのため、仮住まいの費用が負担になりがちです。

マンションでは管理規約による制限もあり、何でも自由にできるわけではありません。戸建てでも、構造上取り除けない壁があるため、事前の確認が大切です。

リノベーションを検討するときは、時間と予算に余裕をもつことが大切です。建物の状態や制約をしっかり確認し、リノベーションに慣れた会社と一緒に計画を立てましょう。

リフォームとリノベーションの費用負担の目安

リフォームとリノベーションの費用負担の目安

リフォームもリノベーションも、工事の内容や範囲によって費用が大きく変わります。しかし「どれくらいかかるのか」が見えないと計画を立てにくいですよね。

ここでは、どんな工事にどのくらいの費用がかかるのか、ざっくりとした目安をご紹介します。

リフォームの費用相場

リフォームは部分的な修繕や設備の交換が中心ですので、工事する場所と使う設備のグレードによって費用が変わります。

以下は、主なリフォーム箇所ごとの費用の目安です。

部位 費用相場(目安)
システムキッチン交換 (I型255cm) 80~120万円
ユニットバスの交換 (1616サイズ) 80~140万円
トイレの交換 (洋式 ⇒ 洋式) 20~50万円
洗面台の交換 (幅60cm) 10~20万円
壁紙の張り替え (6畳) 5~10万円
床材の張り替え (6畳) 10~15万円
外壁塗り替え (2階建て、30坪) 80~150万円
屋根塗り替え (2階建て、30坪) 80~110万円

リフォームの費用は、主に以下の要因によって変動します。

  • 建物の状態
  • 施工面積
  • 採用する建材や設備のグレード

また、複数の工事を同時に実施すると、費用を抑えられる場合があります。たとえば、外壁と屋根を同時にリフォームすると、足場を設置する費用が1回分で済みます。

リフォームを考えるときは、「どこを優先して直したいのか」を明確にしましょう。そのうえで、複数の会社から見積もりを取り、内容と費用を比較することが大切です。

リノベーションの費用相場

リノベーションも、工事の範囲やグレードによって費用が変動するため、費用相場の幅が広いです。

たとえば建物を骨組みだけにして全体をつくり変える「フルリノベーション (スケルトンリノベーション)」は、設計の自由度が高い反面、費用が高くなりがちです。

一戸建てとマンションに分けて、フルリノベーションの相場をご紹介しましょう。

一戸建ての場合

一戸建てのフルリノベーションでは、外壁や屋根など建物の外側まで手を加えることが多く、費用が高くなりやすいです。

おおよその目安は「10~25万円/m²」。一般的な30坪(約99m²)の家なら、約1,000~2,500万円程度になります。

相場の範囲が広い理由は、フルリノベーションの費用が「建物の大きさ、劣化状況、設備・建材のグレード」などによって変動するからです。

マンションの場合

マンションでは、窓や外壁、パイプスペースなどの共用部分はリノベーションの対象外になります。そのため、一戸建てよりも費用を抑えやすい傾向があります。

費用の目安は「10~20万円/m²」前後。たとえば70m²の住戸であれば、約700~1,400万円が相場です。劣化状況や使用する素材のグレードによって金額が変わるため、ご注意ください。

また、会社によって、提案内容や工事代金が大きく異なります。まずは希望を整理し、複数の施工会社に見積もりを依頼して、提案内容と金額を比較することが大切です。

リフォームとリノベーション、どちらを選ぶべき?

リフォームとリノベーション、どちらを選ぶべき?

リフォームとリノベーションは、どちらも住まいをよくする工事です。しかし、目的と状況によって最適な選択が変わります。

最後に、それぞれに向いているケースを分かりやすくご紹介します。

リフォームが向いているケース

リフォームは、今の間取りや住まいに大きな不満がなく、古くなった部分だけを直したい場合にぴったりです。壊れた箇所を修繕したり、古い設備を交換したりして、不便を解消できます。

リフォームがとくに有効なのは、次のようなケースです。

  • 設備の老朽化で不便を感じている場合
  • 築年数が浅く、骨組みに問題がない場合
  • 費用を抑えて短期間で終わらせたい場合

給湯器が壊れた、キッチンが古くて使いにくいなど、設備を新しく交換するだけで日常のストレスが解消できる場合はリフォームが適しています。

また、築10~20年ほどで、家の骨組みがまだしっかりしているなら、部分的なリフォームで対応できるでしょう。工期が短く、仮住まいが要らないケースが多いところも、リフォームの魅力です。

家の骨組みは問題ないけど、設備や内装の古さが気になる」「なるべく安く、すぐに直したい」という方は、まずリフォームをご検討ください。

リノベーションが向いているケース

リノベーションは、今の住まいに根本的な不満があり、「暮らし方そのもの」を変えたい方におすすめです。間取りの変更や性能の向上を通して、住まいを刷新できます。

リノベーションがとくに向いているのは、次のようなケースです。

  • ライフスタイルの変化に合わせて、間取りを大きく変えたい場合
  • 古い家の性能を最新の住宅並みにアップさせたい場合
  • デザインにとことんこだわりたい場合

「子どもが独立した」「在宅ワークが増えた」「生活動線が合わなくなった」 ⸺ そんな変化に合わせて住まいを再構築したいときは、リノベーションが向いています。

断熱や耐震などの性能を強化できるのも、リノベーションの魅力。築年数が古く、冬の寒さや地震の不安を感じる家でも、快適で安心な住まいに生まれ変わらせることができます。

設計士と一緒に、内装デザインを一から考えられるのもリノベーションならではの強みです。オーダーメイドのキッチンや造作家具を設置し、自分らしい空間を実現できます。

近年は、新築価格の高騰から「中古住宅購入+リノベーション」が人気です。初めてマイホームを取得する若年層にも、リノベーションは魅力的な選択肢となっています。

まとめ:リフォームとリノベーションの違いを理解して最適解を選ぼう

リフォームは「壊れた部分を直す」ことを目的とした小~中規模の工事。リノベーションは「つくり変える」ことを目的とした中~大規模の工事です。

どちらを選ぶにしても、大切なのは今の不満とこれからの理想を一度じっくり整理すること。そのうえで、信頼できる施工会社に相談すれば、あなたにとって最適な答えがきっと見つかります。

住まいを見直すことは、これからの暮らしをデザインし直すことでもあります。焦らず、自分のペースを大切に、理想の暮らしを形にしていきましょう。